今月号から、私たちが日常生活で意識しておきたい健康管理のポイントを掲載するコーナーがスタートします。
第一回目は、寒くて体を動かすことが億劫、体重の増加が気になるという方必読「メタボリックシンドローム」(以下メタボ)について。お答えいただくのは、坂井橋クリニック院長・廣田久佳医師です。知らない間に進行する生活習慣病の中でも最も注目されている「メタボ」は、その予備群も含めると、実に40歳以上の男性2人に1人、女性5人に1人に達すると言われています。
Q.診断は自分でもできますか?
診断基準は次の通りです。おへその高さでの腹囲が、男性85センチ、女性90センチ以上で、
(1)高血糖:空腹時血糖110mg/dl以上
(2)高血圧:血圧130×85mmHg以上
(3)脂質異常:中性脂肪150mg/dl異常、HDLコレステロール40mg/dl以下のいずれか又は両方。
2項目以上該当すると「メタボ」です。また、1項目該当の場合は予備群です。したがって、血液検査が必要です。会社健診や特定健診で指摘された方も多いと思います。
Q.発病の危険性があるの具体的な病名は何ですか?
内臓に脂肪がつくことに加えて糖尿病、高血圧、高脂血症が複数重なることによって動脈硬化が進行します。動脈硬化が要因となる病気の代表として、脳卒中や狭心症、心筋梗塞があります。
Q.具体的なメタボ対策や予防について教えてください。
「一に運動、二に食事、しっかり禁煙・適度なアルコール」と覚えてください。体重を5%減らすだけでもかなりの効果があるのです。
(1)姿勢を正しくして、1日30分程度の有酸素運動(ウォーキングや筋トレ、体操など)を週3〜5日行うと効果的です。日常生活に運動を取り入れましょう。(エレベーターより階段)
(2)野菜をしっかり食べる。ゆっくりよくかんで食べる。
(3)タバコは百害あって一利なし。1日1合までの飲酒。